王冠（クラウン）のタトゥーの意味とは？

王冠には様々なタトゥーデザインがあります。
男性らしい力強い王冠のデザインや女性らしい繊細なデザインなどあり、入れる人によって意味はそれぞれ異なりますが、王冠は古来より王や女王など権力を持つ者が頭上にかぶってきた事から一般的には気高さや勝利や強さなどを象徴する事が多いです。

古代文明では、王冠をかぶる王様は神と同様に扱われてきました。

古代ギリシャ神話に登場するアポロン神の聖木は月桂樹とされ、頭に月桂樹の葉で編まれた月桂冠と呼ばれる冠をかぶっています。
その為、オリンピックの起源ともされ、古代ギリシャで4年に1度開催されていたオリンピア祭では競技優勝者には月桂冠が与えられていました。（一説にはオリーブの冠とも言われています。）
その後、競技者だけでなく政治家なども被るようになり、ローマ皇帝はアポロン神と皇帝のイメージを重ね合わせ、アポロン神を象徴する月桂冠を被るようになります。
その月桂冠を黄金で模り、更に価値を高めて用いられるようになり、宝石を散りばめた現在の王冠の形へと変化していきます。

王族や皇族達は、自分達の富や権力や優位性などを示すために王冠を身に着けてきました。
この様な背景から、王冠のタトゥーを彫ることで自分が望む目標へと近づく事が出来ると言う希望を込めて彫る場合もあります。

通常王様が被る王冠に散りばめられた沢山の宝石には一つ一つに意味があり、神への祈りなどが込められ、その王冠の持つ価値を高めています。
その王冠を被る者に権力が与えられると同時に、頂点に立つ者として群衆への責任や義務も伴われます。
儀式で用いられる王冠はかなりの重さがあるそうです。
同時に権力を持つ者への責任の重さをも表わすのかもしれません。

王冠とはまた違いますが、キリスト教ではキリストが十字架に磔にされた時、頭にはイバラの冠がかぶせられました。
聖書でイバラは呪いを表し、キリストが呪いのイバラで編まれた冠をかむり、人々の身代りとなって呪いを取り除いたとされています。
その為、キリスト教徒の方で王冠と共に宗教的なモチーフである十字架などを組み合わせて彫られる方もいらっしゃいます。

占星術の見地から王冠の意味はまた異なります。
古代では百獣の王であるライオンを崇拝し、王権を象徴するようになります。
ライオンを表すしし座は太陽を守護惑星とし、太陽の形を表す様なギザギザが付いた冠が王冠として用いられる様になったとも言われています。
その為、しし座生まれの方で、王冠のタトゥーデザインを選ばれる事もあります。

フランスでは「王様の菓子」と言う意味の「ガレット・デ・ロア」と呼ばれる伝統的な焼き菓子があり、1月6日のエピファニー（公現祭）の日には、菓子の中にフェーブと呼ばれる陶器で出来た小さな人形を入れて焼き上げ、切り分けたときにこのフェーブの部分に当たった人は、その日一日、紙で出来た王冠をかぶり王様、王女様として扱われます。
周りからの祝福を受け、その幸運は1年間続くのだそうです。

当タトゥースタジオのある大阪市をホームタウンとする「セレッソ大阪」のエンブレムの中央には王冠が描かれており、必ず王者(チャンピオン)として君臨する「自信」を表しているのだそうです。
また、大阪のお初天神では、毎年「新春歌う王冠」と言うヒット祈願が行われ、祈祷を受けた出演者の方々が歌を奉納すると言うイベントが行われています。

王冠（クラウン）にちなんだ言葉

十字架なくして、王冠なし(No cross, no crown)：十字架がなければ、王冠もない。十字架はキリストの苦難を表し、王冠は栄光を表します。「苦難なければ、栄光なし」となります。No pain, no gain.（痛みなくし得るものなし）と似た意味になります。何事も、苦労して初めて、得られるものがあると言う事ですね。No ○○, no ○○.と言う言葉は、様々に使われています。No music, no life（音楽がなければ、生きていけない）と言う言葉も有名ですね。

李下に冠を正さず：李（スモモ）の木の下で、冠（王冠）を被り直すべきではない。李（スモモ）の木の下で、曲がった冠（王冠）を被り直していると、スモモの実を盗もうと誤解される可能性があるので、不要な誤解を招く行動は取るべきではないと言う意味になります。自分の行動にはよく注意して、慎重に行動する必要がありますね。