TATTOO MEANING

九尾の狐のタトゥーの意味

九尾の狐とは

九尾の狐のタトゥー

九尾の狐(きゅうびのきつね)は九本の尾を持つ妖狐とされています。
狐は何百年、何千年と生きるうちに特殊な能力を手にした妖狐へと変化します。
段々と尾の数が増えたその最終形態が、九本の九尾の狐だと言われています。
タトゥーデザインとして彫られる九尾の狐は、炎や花などと共に9本もの尾がダイナミックにデザインされます。
彫る人によって色々な意味を込めて彫られていると思います。

九尾の狐は良い狐なのか、悪い狐なのか?
様々な説がありますので、代表的なものを紹介したいと思います。

九尾の狐は良い狐だとする説

中国では良い事が起こる前兆として世に姿を現す「瑞獣」と呼ばれる動物たちがいるとされています。
良く知られているのが「鳳凰」や「麒麟」などです。
九尾の狐もその1種と考えられ、天界より遣わされた神獣と言う説もあります。

九尾の狐には尾が9本ありますが、9と言う数字は陽数である奇数の中で一番大きな数であり古代より特に好まれてきました。
「永遠」や「長寿」を連想する漢字と発音が同じなので、とても縁起の良い数字とされています。
その数字をもつ九尾の狐は、縁起が良い動物であり国の守り神ともされました。

中国の「山海経」と言う古い神話的地誌での記述には九尾の狐を食べると邪気を退けると書かれていることから、「魔除け」や「病除け」の象徴にもなっています。

縁起の良さや魔除けの意味をタトゥーに込めて彫られる方も多いのかと思います。

九尾の狐は悪い狐だとする説

いくつかの中国の古い書物には、絶世の美女「妲己(だっき)」となって殷王朝の最後の王であった「紂王(ちゅうおう)」を惑わせ暴政を敷き国を滅ぼしたと書かれています。
妲己は正体を暴かれ、剣で引き裂かれて息絶えます。

その後の約700年後に次は「華陽夫人」としてインドの耶竭陀(まがだ)国の王子であった「班足(はんぞく)太子」を虜にして、またもや残虐など極悪非道を尽くします。
ここでも正体がばれて逃げていきます。

そして再び現れたのが西周王朝。「褒姒(ほうじ)」と言う女の姿で王朝最後の王である幽王からの寵愛をほしいままにし王を狂わせ死に追いやり、西周王朝は滅びます。
王朝が滅び、姿を消した褒姒は日本へと渡ります。

宮中に入り込んだ妖狐は「玉藻前(たまものまえ)」と呼ばれ、その美貌だけと和歌の才能から鳥羽上皇に寵愛されます。
ところがその頃から鳥羽上皇は度々体調を崩します。
陰陽師に占わせると、玉藻前の仕業と突き止められまた姿をくらまします。
その後もいくつもの悪事を働き、石へと変えられた妖狐ですが石になってもなお毒気を放ち人々を苦しめます。
その石は「殺生石」と呼ばれ栃木県那須郡那須町湯本温泉に国指定の名勝として残っています。
この辺りは有毒な火山ガスが噴出しているため、噴出量が多い時には立ち入りが規制されるほどだそうです。

九尾の狐はどうして9本の尾があるのか?

動物園などで見る狐の尾は1本だけです。
野生の狐は10年位の寿命ですが、狐は年を取り、長く生きるうちに神通力を手にするとされています。
100年、1000年と生きるうちに狐の尾は1本ずつ裂けて、最終的には9本にわかれ最上位の九尾の狐となるのだそうです。

九尾の狐が象徴する意味:

  • 「幸福」
  • 「長寿」
  • 「永遠」
  • 「魔除け」
  • 「病除け」

九尾の狐以外にも、良いとされる狐

伏見稲荷大社に見られる白狐は本稲荷神ウカノミタマのお使いで、幸運をもたらすとも言われています。
神の使いは「眷族」とされ、狐の他には蛇や龍などがあります。
白狐は尾が1本ですが、尾が4本の天狐、逆に尾がない空狐など様々な妖力を持つ狐がいるのだそうです。